e4bでグローバルビジネスでの交渉のロールプレーを英語でしました。
交渉の時は企業Aと企業Bは、「このようにしたい」という思いが違います。
そこをすり合わせして合意できるか、また、「お互いが納得感ある合意形成」
ができるかが、ポイントです。
いきなり現場で交渉を英語でするのは大変なので、どんな準備をするか、ということについて考えていきます。 今回は、
1、英語の表現を覚える
2、交渉の作戦を立てる
の二ポイントから話を進めていきますね。
1、英語の表現を覚える
日本語の場合と違い、英語で交渉する力をつけるために、まず、英語の表現を身に着ける必要があります。
私は以前、通訳として、様々な業種の交渉シーンを見てきました。私の過去の経験からすると、交渉の時は、「どの業種でも表現パターンはほぼ一緒、でてくる単語が違う」のです。だから、いつか英語で交渉ができるようになりたいかたは、まず現場に行く前に、「表現パターンを覚えてしまう」のがお奨めです。
これに対して、いきなり、現場で英語を組み立てると、「交渉のことを考え、英語も考え」と苦しい立場になります。
練習の仕方は以下のとおり
1、交渉シーンの英語をシャドーイングしてリスニングを鍛え、表現を口に出しながらなじませる。
2、意味を正確に抑えるためにサイトトランスレーションをする。
3、自社環境で使えそうなものは素直に借りる。そして「自社環境」で使える文章にして、とっておく。
4、交渉相手とのシナリオを、わかる範囲で作っておく。
ここまでを事前に行っておきます。
2、交渉の作戦を立てる
交渉の場合は、アンカー、BATNAなどで交渉の「本当はここが欲しいけど、はじめはこう言って始めよう」「ここまではOK」「ここからはNG」というラインを決めておけばよいのだと思います。くわしくはわが母校のHPをご参照ください⇓
さて、今回のレッスンではカバンの製造メーカーと小売店の交渉でした。条件は こんな感じでした。
A:かばんの製造メーカーのSales Manager
- 価格:最高級品 550ユーロ
- 色:黒、茶(のみ)
- 割引率:100以上で4%
B:小売店のBuyer ( 各デザイン300発注したいと思っている。)
- 価格:最高級品 500ユーロ
- 色:黒、茶、ピンク、マロン
- 割引率:200以上で10%
(Pearson Upper Intermediate Market Leaderから一部抜粋翻訳)
この二つの立場で、落としどころを探るのです。
さて、千晶先生が、バイヤー、生徒さんがかばんの製造メーカーとなり、
英語で交渉のロールプレーをしました。
ええっと、みなさん。千晶先生は、とても素直なので、交渉開始の時につい、真っ正直に300欲しいという気持ちを素直に言ってしまいました。
B:I want to order 300 of each bags. Do you have any of these colors?
(それぞれ300欲しいんだけど、全色ある?)
A; We have only two colors. But yes, we do.(2色ならあるよ)
B: Then, we would like to have 10% discount for over 200.
(じゃあ、200以上は10%引きでお願い)
A: No, That's asking a lot...(それはちょっときついかな)
という感じで終わってしまったのでした。。。。
しまった。。。もう交渉の余地がない。
あまりにも真っ正直なアンカリングをしてしまいました。。。。失敗。
というわけで、もとい、もう一度、小さい数量からやり直させてもらいました。
B: I am considering to buy 100 of each bags with 4%. Do you have them?
(それぞれ100個を4%引きで買いたいけど、あるかな?)
A: Yes, We can offer you 3% if you buy over 100.
(はいはい。うちは100個以上は3%引きなのですよ。)
B: Oh, then if I buy more than 110, would you increase to 4%?
(ええ、じゃあ、110個以上かったら、4%はどう?)
A: Well, what amount do you have in mind..?
(えっと、、実際に何個ぐらいをお考えで。。)
というわけで、こんどはじりじりと上げていき、割引率の交渉をし、
B:Well, I 'd like to have 10% for overs over 200.(200以上は10%引いてね)
までもっていき、(ええ、私素直なので。。)最後には
Aさんに、
A: Well, I'd like to make a suggestion. I think we should leave this point and come back to it later.(では提案。この議題は残しておいて、また後程議論しましょう。)
と仕切ってもらいました。
実際には、経費とか、割引率とか、計算して損しないかというデータが
ないと判断できないと思ったのですね。実際にも、その場では決まらないものは持ち帰って分析して、データ持ち寄って立ち位置決めますよね。
もしかしたら、200以上で15%割りはどうよ、などと、無理そうな値をいって、
それじゃきついから、200以上で10%割りにしてあげる、
などと譲歩をしてもらう形も考えられますね。
日本語で育ってビジネスパーソンが、グローバルなビジネスの場にデビューしたての頃、「交渉条件を考えつつ」かつ「英語をスピーディに出す」のは、厳しいこともあります。ですので、現場に出る前に「使えそうな表現」は録音したり、PCにタイプしてフォルダーにとっておくなど、「すぐに使える引き出しをたくさんもつよう」に生徒さんには伝えています。e4bはリスクフリーな場です。現場に出る少し前に、間違えながらチカラを蓄えてほしいと思っています。